表紙のきらめきに誘われたのに、開けば震えるほど過酷な冒険譚――そんなギャップで記憶に刻まれた『デルトラクエスト』が、今もなんJで熱く語られ続けています。
本記事では掲示板で盛り上がった発言を軸に作品の魅力と世代横断の共感ポイントを整理しつつ、懐古だけに留まらない再評価の流れまで追いかけます。
「デルトラクエスト」のなんJ・ネットの声まとめ
掲示板で実際に飛び交ったフレーズを手がかりに、面白いやりとりをピックアップしました。
「表紙キラキラで借りたけど中身エグくて草。なお読後はトラウマで夜トイレ行けなくなる模様」
マーク・マクブライドさんが手掛けた光沢加工のカバーは、図書室の棚でも特に目立っていた印象がありますね。
ところが物語に足を踏み入れると巨大ナメクジ《グルー》の粘液描写や、逆さ言葉で誘惑する老夫婦《ジニとジッド》など、児童書の枠を軽々と超える恐怖が次々と押し寄せます。
読後「寝つけずに廊下の電気を付けたままにした」という書き込みも珍しくありませんでした。
加えて、リーフたちが毎回命がけで逃げ切る構成はテンポが速く、ページを閉じるタイミングを失わせる力があると感じられますね。
A「デルトラの強さ議論、結局『影の大王は殿堂入り』で終わるよな」 B「せやな。あとは『グルーは実質倒せてない』とか」
なんJでは恒例の「勢力図スレ」が立つたび、影の大王は「勝負にならないので別枠」とされます。
直接対面の場面が少ないにもかかわらず、策謀と呪術で王国を崩した実績が評価される流れですね。
その影響で「殿堂入り」という概念が生まれたとも語られています。
対照的にグルーは崩落に巻き込まれて行方不明となっただけなので、「討伐ではなく生存の可能性あり」と指摘されるのが面白いです。
議論はたいてい夜遅くまで続き、最後は「やっぱりリーフは単独最弱説」で落ち着くのもお約束だと思います。
「『あの宝石集めるやつな!』だけで世代間で通じるの、もはや文化遺産だろ」
七つの宝石名(Diamond, Emerald, Lapis lazuli, Topaz, Opal, Ruby, Amethyst)の頭文字を並べるとDELTORAになる仕掛けは、初めて伏線の快感を教えてくれたと語られます。
「教室の後ろで気付いた瞬間、友達に自慢したらもう広まってた」という逸話もあり、同世代の認知度は非常に高いですね。
今でも、“宝石集め”という一言だけで一気に共通回線が開く様子を見ると、確かに小さな文化遺産と言って差し支えないと思います。
「バルダとかいう保護者のはずが一番の足手まとい説。なお憎めない模様」
元衛兵バルダは剣の腕こそ確かなのですが、とにかく猪突猛進で罠に引っ掛かりがちです。
影の憲兵団の火ぶくれ弾を真正面から受けて倒れ込み、ジャスミンに手当てされつつ「いや面目ない」と頭をかく場面は定番ですよね。
その不器用さと父性的な包容力のギャップが愛され、「戦力外通告不可避」スレでも最後は擁護するレスが伸びる傾向があります。
「ジャスミン『別にアンタのために助けたわけじゃないんだからね!』←これぞツンデレの教科書」
沈黙の森育ちで人語より動物語が得意なジャスミンは、照れ隠しの発言と即行動のコントラストが鮮烈でした。
助けた直後にそっぽを向きつつ耳はリーフの返答を待っている描写が、ツンデレ概念を育んだと言われます。
アニメ版では高垣彩陽さんのトーンが絶妙で、若年層に「ツンデレとはこういうもの」と刷り込んだ影響は大きいと考えられますね。
「DELTORAの頭文字の伏線に気づいた時の小学生ワイ『作者天才かよ…』」
Emily Roddaさんは伏線の張り方が明快で回収が早いため、読解経験の浅い子どもでも「伏線=後で効く仕掛け」を理解できたと評判です。
DELTORA以外にも、洞窟壁画や民謡の歌詞が章をまたいで答えに変わる仕組みが多く、再読者が「ここにつながっていたのか」と新発見を報告するツイートが絶えません。
「アニメ版のテーガン、原作よりしぶとくて草。どんだけリーフ一行好きなんだよ」
本郷みつるさんがシリーズ構成を務めたアニメでは、魔女テーガンが指輪経由で二度三度と蘇ります。
高笑いからの敗北→復活→改心という流れが長期シリーズ向けに膨らみ、「ラスボスより顔を見た回数が多い」といじられますね。
児童視聴者にとっては強敵が繰り返し登場することで“怖いけど楽しみ”というスリルが強化され、結果的に視聴率を押し上げたと分析できます。
A「図書室でデルトラ派とダレンシャン派で謎の派閥争いあったよな」 B「ワイはバーティミアス派、高みの見物」
2000年代前半の学校図書館は輸入ファンタジーの宝庫でした。
血みどろ吸血鬼譚『ダレン・シャン』、皮肉屋ジン登場の『バーティミアス』などラインナップが濃く、児童は自然に好みの作品を旗印に派閥化していました。
派閥争いと言っても実際は“推し本紹介合戦”に近く、回し読みで読書時間が爆増したという声が多いです。『デルトラ』派は「謎解きと装丁」を推しポイントに据えていたようです。
「大人になってデルトラ再読したら『基本戦術:ステルスと逃走』のリアルさに震えた。なろう主人公に見習わせたい」
リーフたちは序盤こそ武器を振るいますが、実力差を悟ってからは隠密行動と撤退を徹底します。
影の憲兵団の火器や毒矢が飛び交う中で正面突破は無謀だと判断する様子が描かれており、「リアルな弱者の生存戦略」と再評価される所以です。
近年の“俺TUEEE”型作品と比較して「ハラハラの質が違う」という感想も散見され、児童書が持つ緊張感の奥深さを再認識させてくれますね。
「なんJ民、デルトラのトラウマシーン語らせたら止まらない説。なお大体『言葉を反対に喋る人喰い老夫婦』で意見が一致する」
逆さ言葉で油断させる老夫婦に捕まった瞬間「読者の脳裏に警報が鳴った」と振り返る人が多数です。
さらに沼地で響くゴボゴボ音、灯りが消える演出など五感に訴える描写が続き、恐怖が増幅されました。
なんJでは毎回この話題でレスが伸び、派生して「自分が子どもに読ませるときは夜を避ける」などのアドバイスが飛び交うのも恒例です。
コメント